今年は、大雨や猛暑の夏が続いてきましたが、やっと食欲の秋となってきました。 そんな季節からでしょうか、高級な炊飯ジャーの売れ行きが伸びているようです。
この炊飯ジャーは、強力な加熱の力で炊き上げるというものです。
大手のメーカーのうち、象印では「極め羽金」というシリーズで高級な炊飯ジャーを秋に向けて8月から発売しています。
従来のものとの違いは、釜の厚さと外側にステンレスを使用している点です。 外側にステンレスを使用することで、加熱力を維持できるということです。 価格は12万円もするものですが、売れ行きが伸びています。
タイガーでは、釜が土鍋となっており、全体に「土」を意識して「かまど」のイメージを出しているようです。
土鍋にしたことで、米に熱が伝わりやすくなったということのようです。 これも高級なもので価格は、14万円です。
なぜ今、このような高級な炊飯ジャーが発売され、売れ行きもいいのかという背景には、消費者の健康意識と共に、ご飯の「味」にこだわる傾向があるようです。
このところのアベノミクス効果で、景気は少し上昇気味と言われており、民間の給与は昨年より上がったと言われています。
消費税が来年4月から上がり、今は建築業界を中心として、景気が上を向いてきたと言われるようになりました。 その上、オリンピックも決定し、ますます土木建設関連の企業は収益が増加しそうです。
アベノミクスという言葉だけで、企業の中には早々と社員の給料を上げたところも数社ありました。 そのようなことが他の企業にも影響を与えたのか、収益の実績より先に給料が上がったところも多いようですね。
高級な炊飯ジャーの競争に火を付けたメーカーは三菱電機で、「炭」を材料に使用した釜の「IH式ジャー」を発売しています。 本体と釜の間から熱が逃げない工夫が特徴です。
日本電機工業会の調べによると、IH式炊飯ジャーの5万円台の売れ行きが増加し、3万円台のものは減少しているそうです。 中心は10万円台のものが、一番売れているとのことです。
このことから、子供にも美味しいご飯を食べさせたいという親の気持ちも後押しとなり、高級なものが多く売れているようです。
震災の後から、夕ご飯は外食ではなく、なるべく家で食べるという家庭が多くなっています。 何が起こるかわからないという不安が、今も心の中に根強く残っているせいでしょうか。 家庭で家族でご飯を食べるのですから、できれば美味しいお米のご飯が食べたいという心理も影響があるのでしょう。
ここしばらくは、このような高級志向は続いていくことでしょう。 それによって炊飯器のメーカーの売り上げも上がり、家電全体の売り上げが増大し、経済に大きな影響を与えていけばよいですね。