自営業者なら「資金繰り」について一度や二度は頭を悩ませたことが有るでしょう。自営業が小さな商売のうちは、大きな所得課税もなく利が有るように見えますが、そのくらいのビジネスサイズだといざという時に、銀行の融資を依頼しても申請すら通らない事も有ります。
また、会社内に資産形成も出来ないので、個人で資産形成することに成りますが小規模な商売では、そちらもあまり大きく期待が持てません。そのような状況で、もしも売上の拡大などのビジネスチャンスが訪れた時、資金調達が上手く出来ずにチャンスを逃してしまうこともあるかもしれません。
また、商売の資金繰りにおいても、自己資金を回すことがほとんどですから正直、不安定というのが実情という自営業者も多いようです。しかも個人事業主の場合、売上が大きく利益が出た時に使える節税対策も少なく、資産の先送りや資産形成は、基本的に所得収入後に個人で行うことに成ります。
つまり、利益から経費処理できるものを購入するなどで一定の節税はできるが、最高税率が50%までの累進課税扱いなので、事業が順調になるほど利益の多くを税金として支払うことに成ります。
そこで、検討したいのが法人化です。 法人化と言ってもマイクロ法人と呼ばれる、経営主=従業員の形となる、最もミニマムなサイズの法人です。
しかし、法人格としての利得は、備えていますから、利益が出た時などは、会社名義での購入により多くのものを経費処理することが可能になります。
また、生命保険などを利用して資産形成も合法的に可能となり、実質資産の先送りや含み資産を作って行くこともできるのです。
もちろん、銀行などからの借入れも信用度が増しますので低金利で借りやすくなります。そして、法人ならではの税法上のメリットは、年間の所得が800万円以下なら税率22%となることです。もちろんそれを超えても30%が上限ですから、個人と比較しても十分に税法上有利であることは間違いありません。
一概には言えませんが年間の所得で700万円を超えて、その後も収益の拡大が見込めるような場合は、法人化した方が様々な面で有利となるので検討してみましょう。