2014年になってから最も明るいニュースの一つにSTAP細胞の研究論文発表があり、最もがっかりしたニュースの一つにその研究論文のほとんどが信用出来ない状況になってしまったことです。
この研究者や研究所、そして協力者に対してのコメントは、初めにこぞってこのニュースを担ぎあげたマスコミに任せるとして、ここまで注目が集まる理由を考えてみました。
その心理をビジネスの局面から考察し、反面教師として学べる事由を検討して今後の仕事で教訓としましょう。
今回のニュースで特に驚いたのは、私達一般人が仕事や生活の上で意識している常識感と、先の研究者たちの世界での常識感がかなりかけ離れていて、とても相容れることが出来ないということです。
一般にビジネス上の局面で、プレゼンテーションをする際に、他社や他人が作った文章や簡単にコピペして拝借利用することは、まずあり得ません。
もちろん、そうした先人の優れた文章や記事などを参考とすることは、プレゼンテーションを提供するクライアントの理解に繋げるために、文章力や表現の品質を上げるべく見習うことはあるでしょう。
しかし、どのような場合においても、自己や自社の利益のために他人の言葉をそのまま利用することは、不慣れなプレゼンターでもしません。
それは、なぜでしょうか?
いくつかの理由が考えられますが、それはやはり、顧客の理解を得られるよう一人前のプレゼンテーションをすることが出来るように、自分で考えて作りこむ事がプロセスししても重要な事だと認識しているのです。
そして、一般常識として当たり前の事ですが、他人の文章をコピペで拝借し飄々としているなど、恥ずかしくてできないことだからです。
そして、理解を深めたり検証結果を見せたりするための写真やデータは、基本的にオリジナルを用います。
違うテーマのプレゼンテーションにおいて、過去の写真やデータを挿絵のように使いまわすなど通常あり得ません。
とあるテレビ番組のニュース解説でテレビでも有名な大学教授が、使い間違いを「眠たかったから」と言い訳すれば良いと、驚くようなコメントを拝見しました。
極々限定的な現場でのことだとは思いますが、崇高な学術研究の場において、そうしたことも許されると言う話もあるのかもしれません。
しかし、そのような行為は、我々ビジネスマンであれば最悪の場合、プレゼンテーションや商談が流れるだけでなく、恒久的な取引停止につながることさえあります。
もし、どうしてもデータの引用など必要な場合は、引用元を正確に記載し必要に応じて、引用元に転載等の許可を得ることなど、面倒であっても必ず行うことが一般常識です。
こうしたことを踏まえビジネスの場においては、コピペや写真・データの不正使用と使い回しなど、「絶対にしない!」と言う心構えが肝心で有ることは言うまでも無いことです。