EU・アメリカVSロシアの様相が明確になってきたウクライナ情勢は、いきなり世界経済をマイナス方向に進める最悪に事態に様相を転じています。
既にロシアに対してはG7による、各国で協調した制裁措置がなされてきていますが、世界的なロシアに向けての制裁手続きは、既に日本からも制裁の発動を発表しています。
しかし、日本からの制裁の内容や政府関係者からのロシアに対する発言は、一応にソフトなもので日本政府が、EU・アメリカと完全に足並みを揃えてと言う状況ではないようです。
それもそのはずで、ここ4年間ほどで日本は、ロシアとの輸出入取引を年々増加させ、対中関係やアメリカとのガス購入の価格の交渉などを有利に進めるために、ロシアとの関係をこの1年で特に強化して進めてきた背景があります。
つまり、工業製品の輸出やエネルギー問題、そして北方領土問題なども含めたロシアと日本の二国間協議は、日本経済の再生を強力に推し進める現政権の新たな取り組みです。
2014年以降に向けて経済のプラスと国民に明るい話題提供の結実を期待できる、強力なカードの一つとなっています。。
中でも工業製品の輸出やガスを中心としたエネルギーの輸入は、一般消費者の生活にも影響する、電気料金の価格の維持や電力量の維持にも関係してきます。
特に、東日本大震災以降の火力発電に必要なガスの緊急輸入に際して、もっとも近い産出国のロシアから輸入することで、輸送なども含めたコストを何とか抑えることができているので、現状まで維持されていると言う現実があります。
日本からすれば、今回起きているウクライナ危機は、G7と強調歩調をとっているとは言え、本心からすれば迷惑千万な話で、この1年間でロシアとの距離を詰めてきた努力も水の泡になりかねません。
今回のウクライナ問題に関しては、全てを協同に歩調を合わせるのではなく、日本の立場をしっかりと伝えて、独自の外交を進める必要があるのではないでしょうか?
あくまでも個人的な期待と感想ですが、今回、アメリカと歩調を合わせると今世紀中の北方領土返還など到底望めなく成ってしまい、いつまでもエネルギー問題を含めて、アメリカに振り回される懸念を感じます。
ここは、日本国民の国益を最優先に考えた外交戦術と交渉を、安倍晋三首相と政府外交筋の手腕に期待するところです。