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ファクタリング会社、業者の選び方と注意点
銀行借入を行うことが困難な中小零細企業にとって、売掛債権をすぎに資金化できるファクタリングは非常に有効な資金調達手法です。ファクタリングという金融サービスの市場規模も大きくなっており、ファクタリング会社も増加傾向にあります。
ファクタリング会社であればどこもサービス内容が同じかというと、そんなことはありません。ファクタリングという名のものとで資金の流れは同じでも、負担するリスク範囲や契約は全く異なります。
数あるファクタリング会社の中からどの会社が最適か、その指標となるファクタリング会社の選び方について重要なポイント5つを記載いたします。
- ファクタリングの種類と取引方式の選択肢
- ファクタリングの取引額
- ファクタリングの手数料
- ファクタリング会社の規模
- サポート体制や対応の良さ
ファクタリングの種類と取引方式の選択肢
ファクタリング会社選びは、ファクタリングの種類と取引方式を選ぶことといっても過言ではありません。ファクタリングの種類や取引方式は会社によって異なります。
1つ目のポイントは、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングのどちらを行っているかということです。前述したとおり、両者は取引方法から手数料までまったく異なります。ファクタリング会社がどちら(またはその両方)の取引形態をとっているかを確認することがファクタリング選びの出発点です。
ファクタリング会社の中には特定の業種(医業、建設業、製造業など)に特化しているところもあります。まずはホームページでその特徴を掴むことが大切です。
また、ファクタリングの取引方式もファクタリング会社によって選択肢が異なります。
「ファクタリング」と謳っていても、
・売掛債権を譲渡する方式
・売掛債権を担保として借入をする方式
・売掛金の代金回収を保証する方式
など、その取引方式が異なります。ファクタリングという言葉の定義が曖昧で、囲い込みのための便利な言葉として使われているのが実態です。
ファクタリングを利用する際には「売掛債権を譲渡する方式」で検討される事業主が多いように感じます。取引方式を十分に確認してファクタリング会社選びをしましょう。
ファクタリングの取引額
ファクタリングを行うことでいくら資金化できるかは「売掛債権の金額」と「ファクタリング会社の取引額」によって決まります。
取引額の範囲は、数万円~数億円と、ファクタリング会社によって大きく異なります。資金化したい売掛債権の金額が通年でいくらの範囲なのかを見積り、なるべく取引額の幅が広いファクタリング会社を選ぶとスムーズな資金調達が行えます。事業規模が大きくなった際にも柔軟に対応可能なファクタリング会社を選ぶと良いでしょう。
ファクタリングの手数料
ファクタリング会社選びで一番気になるのは手数料でしょう。ファクタリングを実行した際に、手元にいくら残るのかということは非常に重要なポイントです。
手数料はファクタリング会社によって異なるため、単純な比較が難しい現状にあります。
大きな違いでいうと、①のファクタリングの種類(2社間ファクタリングか3社間ファクタリングか)を選択するとおおよその手数料の範囲が決まります。2社間ファクタリングであれば20%前後、3社間ファクタリングであれば10%未満といったところです。
ファクタリング取引実績がない段階では手数料が高くなる傾向にあるため、継続してファクタリングを実行することを前提に相談してみると良いでしょう。
ファクタリング実行時に手元に残るお金という意味では、掛け目の割合がいくらかということも着目すべきポイントです。
また、ファクタリングに係る手数料は「事務手数料」「申込金」「登記報酬」「審査手数料」「印紙代」といった様々な名目で請求されます。登記報酬や印紙代のように固定的な部分があると、譲渡する売掛債権額が低い場合に大きな負担割合となるため、譲渡を検討している売掛債権額でシミュレーションしてみましょう。
ファクタリング会社の規模
ファクタリング会社の中には誇大広告で顧客を引き付け、多額の手数料を請求するところもあります。ファクタリング会社を選ぶ際には、ファクタリング会社の規模や評判をチェックしておきましょう。
ファクタリング会社の規模は、ホームページの会社概要で簡単にチェック可能です。本店所在地は架空でないか、資本金が少なすぎないか、取引銀行が大手かなど確認できる情報は多くあります。
また、IT化が進み悪徳な業者は口コミ等で淘汰されていく時代です。同業者の情報や、ネット上の検索でファクタリング会社の選択肢を絞ることができるでしょう。
サポート体制や対応の良さ
ファクタリングを初めて利用するという経営者にとって、サポート体制や対応の良さは重視したいポイントです。
企業の風土は細部に宿っているため、電話口やメールでのやりとり、面接でファクタリング会社に行った際の従業員の対応でその良し悪しが判断可能です。ファクタリングの利用を検討している状況であれば、対応は早いに越したことはありません。メールの返信が遅いなどもってのほかでしょう。
疑問点や不安点に一つ一つ丁寧に応えてくれるかどうかは、継続してファクタリングを利用するにあたって重要となります。説明がわかりづらい、すぐに契約を迫るようなファクタリング会社は選ばないことです。ファクタリングは契約の内容も多岐に渡り、専門家でないと理解が難しいサービスです。提案内容に透明性があり、メリットやデメリットをわかりやすく説明してくれるかどうかも注目したいポイントの一つです。
ファクタリング会社が倒産したらどうなるか?
契約を結んでいるファクタリング会社が倒産した場合、どういったリスクがあるでしょうか。本来のファクタリングである売掛債権の譲渡方式での契約で、ファクタリング会社からの入金がすべて完了している状況であれば、事業主のリスクはありません。
ただし、売掛債権をファクタリング会社に譲渡後、入金がないままファクタリング会社が倒産すると、未収金が貸し倒れする(回収できない)リスクがあります。また、掛け目が多く設定され、留保金があるような場合には、留保金部部分が貸し倒れるリスクもあるでしょう。
契約形態によって想定されるリスクは異なります。いずれにしても、ファクタリングに頼った資金繰りでは、自社の連鎖倒産のリスクを拭えません。税理士等の専門家に相談の上、契約の際にはファクタリング会社の倒産も想定したシミュレーションが必要かもしれません。